ビジャレアル対エイバルについて知っておきたい8つのこと

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 2試合連続の“ジャパンダービー”は実現なるか――。19日に行われるリーガ・エスパニョーラ第2節では、ビジャレアルが本拠地『エスタディオ・デ・ラ・セラミカ』にエイバルを迎える。ビジャレアルには久保建英が所属し、エイバルには乾貴士に加えて、武藤嘉紀が加入。リーガで初めて、3人の日本人選手が同時にピッチに立つ可能性が生まれた。



 ここでは注目の日本人対決から両クラブの共通点まで、キックオフ前に知っておくと、より試合が楽しめる8つのトピックを紹介しよう。



1. 史上13人目のデビューへ



この試合で武藤が出場すれば、日本人選手13人目のリーガ1部デビューとなる。リーガ1部史上初の日本人選手は、さかのぼること20年前に誕生。当時横浜F・マリノスに所属していたFW城彰二氏が、2000年1月にバジャドリードへレンタル移籍し、同16日に行われたヌマンシア戦でデビューを飾った。以来、数々のサムライ戦士たちが世界最高峰とも称される舞台に挑戦。今季の開幕戦では、ウエスカに所属する岡崎慎司がビジャレアルを相手に1部初出場を果たしていた。武藤は18日(金)に初めてチームの練習に参加したばかりだが、招集メンバー入り。まさに“ぶっつけ本番”で試合に臨む。果たして、出場機会は訪れるだろうか。



2. エイバルキラーの久保vsビジャレアルキラーの乾



久保と乾にとっては、主役の座を狙う一戦になるだろう。というのも、どちらも相性の良い相手との試合になるからだ。昨季マジョルカに在籍した久保は第27節でエイバルと対戦し、シーズン3点目となる得点をマーク。チームにアウェイ初勝利をもたらした。対する乾も、ビジャレアル戦は過去9試合に出場して、5勝1分け3敗。2017年4月と2019年3月に行われた試合ではゴールを奪っている。いずれも『エスタディオ・デ・ラ・セラミカ』で決めた得点であり、今回の一戦も大いに期待できるだろう。なお、久保がトップ下や右サイドで出場すれば、左サイドでの出場が濃厚な乾とのマッチアップが実現する。どちらが今季初勝利をチームにもたらすだろうか。



3. 注目のドリブラー対決

今回の試合は“日本人対決”というだけでなく、“ドリブラー対決”としても楽しめそうだ。日本屈指のテクニシャンとして知られる乾が対峙するのは、「ロッベン二世」とも称されるナイジェリア代表MFサミュエル・チュクウェゼ。スピード抜群で体が強く、複数人に囲まれても前進していく、いわばゴリゴリ系のドリブラーだ。一方、乾のドリブルはリズミカルで、スルスルと相手を抜いていく。ゾーンに入ったときは余分な力が入っておらず、マーカーの逆をとる上手さもある。前を向いてボールを持ったときの2人はどちらも脅威であり、タイプの異なるドリブラーの技をぜひ堪能したい。



4. ビジャレアルは“スロースターター”

“日本人対決”に大きな注目が集まるが、両チームにとっては今季初勝利を目指す重要な一戦だ。ただ、“スロースターター”のビジャレアルに大きな期待は禁物だろう。第1節のウエスカ戦は1-1のドロー。彼らがシーズン初戦に勝てなかったのは、6年連続のことになる。さらに第2節も、過去4年連続で勝利を逃しているのだ。昨季と一昨季に関しては、シーズン初勝利を第4節まで待たなければならなかった。今季はエメリ監督を新たに招へいし、チームを一から構築中。バレンシアで主将を務めていたダニエル・パレホをフリートランスファーで確保するなど、移籍市場での立ち回りのうまさは特筆すべきだが、チームとしてはまだまだ未完成である。新戦力として加わった久保も新たな環境に順応している最中であり、その過程を楽しむことが重要になるだろう。



5. 対戦戦績は、ほぼ互角

両チームがリーガ1部で顔を合わせるのは、今回で13回目。過去12戦の対戦成績は、ビジャレアルの5勝、エイバルの4勝、そして引き分けが3つと、ほぼ互角となっている。ただし、ビジャレアルはホームでのエイバル戦、ここ3試合連続で完封勝利を飾っており、ここでシーズン初勝利を掴みたい。一方、エイバルが敵地でのビジャレアル戦で勝利を挙げたのは、2016-17シーズンの第29節までさかのぼる。2017年4月に行われた試合を3-2で勝利。殊勲の3点目を挙げたのが乾だった。



6. 「奇跡のクラブ」と呼ばれる両クラブ

ビジャレアルとエイバルの共通点と言えば、どちらもスモールタウンを本拠地としていることだろう。スペイン南東部に位置するビジャレアルの人口は約5万人。一方、エイバルの人口も3万人に届かない。日本で例えるなら、ビジャレアルは茨城県のつくばみらい市、エイバルは戦国大名の毛利元就の本拠地として知られる広島県の安芸高田市ほどの規模である。とはいえ、ビジャレアルは2005-06シーズンにチャンピオンズリーグでベスト4に進出し、ヨーロッパリーグでも4強まで勝ち進んだことがある。エイバルも3部から2年連続の昇格を成し遂げ、今季で1部7年目のシーズンを迎えた。両者ともに「奇跡のクラブ」と呼ばれた過去があり、彼らの対戦はフットボールのロマンを感じさせる。



7. 同地方出身の指揮官



クラブだけでなく、両指揮官にも共通点がある。ともにバスク自治州の出身なのだ。ビジャレアルのウナイ・エメリ監督(48歳)はフランスとの国境に接するオンダリビア、エイバルを率いるホセ・ルイス・メンディリバル監督(59歳)はエイバルに程近いサルディバルで生まれた。2つの街は車で1時間ほどの距離にある。しかし、25年以上の監督キャリアを誇り、エイバルで6年目となるシーズンを迎えたメンディリバル監督と、パリ・サンジェルマン、アーセナルといったビッグクラブを経て、4年ぶりの母国凱旋を果たしたエメリ監督とでは、置かれた立場がまるで違う。試合中の振る舞いも好対照で、常に感情を爆発させるメンディリバル監督に対して、エメリ監督は腕組みをしながら静かにゲームを見守ることが多い。ピッチ脇で戦況を見つめる両監督からも目が離せない。



8. 主審も1部デビュー!

先週末の開幕節では、岡崎のリーガ1部デビューが大きな話題となったが、今回の試合でも待望のデビューを果たす人物がいる。それが主審を務めるホルヘ・フィゲロア・バスケス氏だ。セビージャ出身のバスケス氏は1980年生まれの40歳。2007年にリーガ3部で主審デビューを果たすと、2012年から2部を主戦場とし、昨季はスペインサッカー連盟が選出する2部最優秀審判に選ばれた。その実績が評価されて、今季から1部に昇格。今回の試合で念願のトップリーグデビューを果たすことになる。父や叔父も元審判だというバスケス氏にとっては、史上最大のビッグマッチと言えるだろう。ピッチ上の主役はもちろん選手たちだが、晴れ舞台に立つ主審にも注目してほしい。



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2020.09.20 00:00:00


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